著者: 鈴木史郎
タイトル:

住宅市場における価格形成の分析〜東京圏における80年代以降の価格変動をめぐって

文献名: 「フィナンシャル・レビュー」pp91-111、大蔵省財政金融研究所
発行年月: 1995.2
目的: 80年代以降の東京圏住宅価格について時系列データを作成し、各変動の要因を分析する。
データ:

「週刊住宅情報」中古分譲物件および賃貸物件(マンションのみ)、1985〜1994年(隔年とも3月第1週発売号)の年次データ。

手法: @ ミクロデータをプールしたヘドニック関数の推定をもとに、標準価格の時系列データを作成する。

都心=目黒・渋谷、郊外=三鷹・立川・八王子を最寄とする分譲・賃貸物件。サンプルサイズは300程度。都内を、都心・ワンルームタイプ、郊外・ワンルームタイプ、都心・ファミリータイプ、郊外・ファミリータイプの4種類を利用。これらをプールして、都心ダミー、ワンルームダミー、年次ダミーなどを採用。

A ヘドニック回帰式において、年次ダミーの代わりに、所得、金利、在庫、株価、高級化指数(=単位面積あたり予定額を標準建築費指数でデフレート)を採用。価格変動を要因分解する。

結果: 金利は価格にプラスに作用する。在庫は有意な変動要因であり、市場規模が小さい都心あるいはワンルームタイプの方が大きくなる傾向にある。高級化も有意な要因であり、株価は都心・ワンルームタイプを除き有意に作用している。../Pict/Tab24.xls ../Pict/Fig24.gif
課題: @ 地域・タイプ別にデータを抽出しているので、在庫データも区分毎のものを適用すべきである。

A 時間を通じてプールしたヘドニック関数に集計年次データを多数説明変数として利用すると、多重共線が深刻になる。金利の係数が理論と逆符号なのは、このためではないか。