経 営 情 報 分 析

第10回:データの予測(4)
残差分析,ダミー回帰

Update:2000/06/29
経営学科 河路武志

今日の目標

前回の課題の復習

残差に注目して、新たな説明変数を追加する。
質的変数を分析に組み入れるために、ダミー変数に変換してダミー回帰を行う。


前回の課題

課題8:洋菓子チェーン店の売上高予測

(X1,X2,X3)→Yの重回帰分析

1.Xの偏回帰係数をそれぞれ言葉で説明しなさい。

他の条件が等しければ、

2.組み入れる説明変数が増えるにつれて、あてはまりが改善することを具体的な統計量を示して説明しなさい。

 回帰分析のあてはまりは、決定係数R2で測ることができる。それぞれの分析の決定係数を比較すると、変数を追加するごとに決定係数が増えている。このことから、あてはまりが改善していることが示された。

0 < R2(X1) = 0.465 < R2(X2,X3) = 0.594 < R2(X1,X2,X3) = 0.967 < 1

応用課題8:ドリーム遊園地のアイスクリーム売上予測

1.この回帰式を数式で表しなさい。変数の定義を明記のこと

回帰式
ワイハット = -778,007 + 22.77 X1 + 28892 X2

 被説明変数
 ワイハット:アイスクリームの予測売上高(円/日)
 説明変数
 X1:入場者数(人/日) X2:気温(度)

2.説明変数「気温」の偏回帰係数が示すものを説明しなさい。

 気温が1度高いと、アイスの売上高が28,892円増加することが予想される。


基礎理論

残差分析

 回帰分析の予測誤差である残差は、分析に組み込んだ説明変数では説明できないチラバリ部分である。この残差のチラバリを観察すれば、回帰式のあてはまりを改善できる場合がある。

ダミー変数

 質的変数である分類尺度の説明変数を回帰分析に組み入れるためには、0または1を値とするダミー変数を用いる。偏回帰係数は同じだが、切片のみが異なる二つの回帰式が想定できる。

靴工場の製造費用

残差分析

 生産量で予測した製造費用の残差を時系列の折れ線グラフにすると。

残差の時系列グラフ

 夏・冬の残差は正、春・秋の残差は負である傾向が観察される。これは、生産量だけで製造費用を予測した場合、夏・冬には予測より多くの費用が発生し、春・秋には予測よりも少ない費用しか発生しないことを意味している。

 調査の結果、夏・冬には、工場内のエアコンをフル稼働させるため、多くの電力費が発生していることが判明した。この季節要因を回帰分析に組み入れるために、ダミー変数を利用する。

ダミー回帰

 季節要因を分析に加えたい。しかし、季節変数は質的データなので、直接説明変数にはできない。そこで、ダミー変数を導入する。ダミー変数は、0または1のみの値をとる変数である。

2:季節{春、夏、秋、冬}→ Z2:季節のダミー変数{0,1}

 生産量(X1)と季節のダミー変数(Z2)を説明変数として重回帰分析を行う。

回帰式:
ワイハット2=14.0 + 1.53 X1 + 874 Z2

 ワイハット2:製造費用の予測値(万円/四半期)
 X1:生産量(ダース/四半期)
 Z2:季節のダミー変数(1:夏、冬,0:春、秋)


実 習

 靴工場の製造費用分析について、季節要因をダミー変数として組み込んだ重回帰分析を行う。 bda10.xls をフロッピーディスクにコピーしてから、以下の実習を行うこと。

  1. 「残差分析」シート:生産量から製造費用を予測する回帰分析を行いなさい。
  2. 「残差分析」シート:残差の時系列グラフを作成し、季節要因が含まれていることを観察しなさい。
  3. 「ダミー回帰」シート:生産量と季節(ダミー変数)から製造費用を予測する重回帰分析を行いなさい。

課 題 9

残差分析とダミー回帰

提出期限:7/5(水)

提出方法:電子メールに実習ファイルを添付

 添付ファイル名:bda10ユーザID.xls(例:「bda10ue985555.xls」)

メール本文:分析結果をもとに、以下の問いに答えなさい

宛先(To:) kawaji@mserv.cc.seikei.ac.jp
標題(Subject:) 課題9 ユーザID
本文:
Q1.
Q2.
Q3.
-----
添付ファイル名:bda10ユーザID.xls

 メールへのファイル添付の方法は、『情報リテラシ』(センター発行)p.186を参照のこと。

応用課題9.1

 余裕のある人は、実習3で推定した回帰式のグラフを作成しなさい。

季節要因を組み込んだ回帰直線
ダミー回帰のグラフ

 

応用課題9.2

 ワークシート bda10a.xls は、「ドリーム遊園地」の入場者数、気温、天気と、アイスクリームの売上高のデータである。これをサンプルとして、アイスクリームの売上高の予測式を推定する重回帰分析を行いなさい。また、以下の問いに答えること。

3:天気はれくもりあめ
1,Z21,00,10,0

アイスクリームの売上高予測
予測結果

 注:前回同様、説明変数Xが複数あるので、XYグラフは作成できません。

 


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